ウーバーイーツの配達をしていると、「今日はどれくらい稼げるかな?」という不安や、効率よく動けるかどうかのストレスがつきものです。特に、単価の変動が激しい時間帯やエリア外に飛ばされる案件は、配達員にとって悩みの種になっています。そんな中で注目されているのが「フラットレート制」です。
先日、ウーバーイーツでは1時間あたり1800円程度のフラットレートが実施されましたが、全く鳴らない。悪魔のフラットレートですた。そして今週、新たに「1550円のフラットレート」が登場しました。実際に私自身が試してみた結果、これまで感じられなかったメリットと同時に、いくつかの課題も見えてきました。本記事では、そのリアルな体験を踏まえながら、ウーバーイーツ配達におけるフラットレートのメリットとデメリット、さらには導入の背景や今後の展望まで徹底的に解説します。
1550円フラットレートを実際に試してみた感想
今回のフラットレートは「金曜日・土曜日の17時~20時」の時間帯限定で設定されていました。金額は1時間あたり1550円。正直なところ、1800円に比べるとやや見劣りする印象はありましたが、実際に稼働してみると意外な発見がありました。
まず「数珠連(連続配達)」が発生しやすい点です。短時間で複数件の配達が入るため、効率よく件数をこなせる印象がありました。そして、フラットレートならではの「精神的な安心感」が非常に大きかったのです。
普段であれば、「件数を増やさなければ」「効率的に動かなければ」と無駄に焦ってしまう場面が多いのですが、フラットレートでは最低保証があるため、必要以上に飛ばしたり、信号や交通ルールのギリギリを攻める必要がありません。
スマホで好きな音楽や動画を流しながら、落ち着いて配達できる。これは私にとって初めて「フラットレートのメリットを感じた瞬間」でした。
フラットレートのメリット
1. 精神的な余裕が生まれる
フラットレートは「1時間あたりいくら」という形で保証されるため、案件が少なくても最低ラインが確保できます。そのため、「無理に走る必要がない」という精神的な余裕が大きな魅力です。ですが鳴らない場合(配達が途切れ待機中)はお金が発生しませんが
2. 無駄なリスクを冒さないで済む
通常の出来高制では「件数をこなすために急ぐ」「渋滞を避けて強引にすり抜ける」といったリスクを冒しがちです。しかし、フラットレートでは落ち着いて交通ルールを守りながら稼働できるため、安全性が向上します。
3. 短時間稼働との相性が良い
2時間程度の稼働でもフラットレートなら効率的に稼げます。特に夕方から夜にかけては案件が集中しやすく、安定した収益が見込めます。
4. 初心者でも安心して稼働できる
始めたばかりの配達員にとっては「どれだけ稼げるのか予測できない」という不安が大きいものです。フラットレートなら最低保証があるため、経験の少ない配達員にとっても安心材料になります。
フラットレートのデメリット
もちろん、良いことばかりではありません。実際に稼働して感じたデメリットも正直に書いておきます。
1. キャンセルに弱い
フラットレートのルールとして「1時間に2回キャンセルすると終了」という制限があります。これが意外と厄介でした。自分の稼働エリアから大きく外れる案件が続いたとき、泣く泣くキャンセルすることもあります。その結果、フラットレート自体が終了してしまい、「せっかくの保証が台無しになる」というリスクがあるのです。
2. エリア外への飛ばされ案件
福岡で稼働しているとよくあるのが、「博多から西区や南区へのロング案件」です。土地勘のないエリアや自宅から遠ざかる案件が来ると、時間効率も下がりますし、精神的にも負担が大きいです。特に夕方2時間だけ稼働したいときなどは致命的です。
3. 案件が多い時間帯でしか有効でない
1550円という設定金額は、稼働が多い金曜・土曜の夕方限定です。平日の昼間や深夜帯にはフラットレートが適用されず、従来通り出来高制での稼働になります。常に安心して働ける仕組みではない点が惜しいところです。
4. 実力次第では割に合わないケースも
配達に慣れたベテランであれば、フラットレートより出来高制のほうが稼げる可能性もあります。案件が多いタイミングで効率的に動ける人にとっては、むしろ「稼ぎが抑えられる」と感じることもあるでしょう。
つまり、1800円は「集中的な呼び水」だったのに対し、1550円は「長期的な試行」に近い形といえます。
地域差による影響
フラットレートは、稼働エリアによって「得か損か」が大きく変わります。
- 東京・大阪のような大都市圏
案件数が非常に多いため、フラットレートの恩恵は限定的。出来高制のほうが稼げる可能性大。 - 地方都市(福岡・札幌・仙台など)
案件数にムラがあり、フラットレートの保証が安心感につながる。特に夕方以外の時間帯は稼げないことも多いので相性が良い。 - 郊外エリア
案件が少なく、移動距離が長くなりやすい。キャンセルリスクが高いため、フラットレートは逆に使いづらい。
Uber Eatsがフラットレートを導入する狙いとは?
なぜUber Eatsはフラットレートを導入するのでしょうか? その背景にはいくつかの戦略的な狙いがあると考えられます。
- 配達員の確保
案件が集中する時間帯に配達員を安定して確保するため。保証があることで「働こう」というモチベーションが高まる。 - 安全性の向上
出来高制ではスピード優先の無理な運転が増えるリスクがある。フラットレートで「焦らない仕組み」を提供し、安全性を高める狙い。 - 他社との差別化
出前館は固定単価、menuはキャンペーン強化型。Uberはフラットレートを導入することで「安心感」という新しい価値を提示している。 - データ収集と検証
フラットレート導入によって「配達員がどの時間帯・どのエリアでどのように動くか」を分析し、将来的な報酬制度の改善に活かしている可能性もある。
体験から学んだフラットレート活用のコツ
私自身の失敗も踏まえて、これからフラットレートを利用する方に向けて、活用のポイントをまとめてみます。
- キャンセルは慎重に
1時間でキャンセル2回で終了するため、「自分のエリアから外れる案件でも受けるかどうか」を事前に考えておきましょう。短時間稼働なら特に重要です。 - 得意エリアで稼働する
土地勘のあるエリアであれば移動ロスも減り、数珠連が発生しやすくなります。普段から配達しやすいルートを把握しておくことが大切です。 - 案件の波を意識する
17時~20時は案件が集中するゴールデンタイムです。この時間を狙って稼働することで、フラットレートの恩恵を最大限に受けられます。
まとめ
1550円のフラットレートを実際に試してみて、初めて「フラットレートのメリット」を体感できました。特に「ストレスフリーで落ち着いて配達できる」という安心感は、出来高制では味わえない魅力です。
一方で、キャンセル制限やエリア外案件などの課題もあり、必ずしも万能ではありません。フラットレートは「稼げる仕組み」というよりも、「安全かつ安心して働ける仕組み」として捉えると良いでしょう。
Uber Eatsがフラットレートを導入する背景には「配達員の確保」「安全性の向上」「他社との差別化」といった戦略的な意図があります。今後も制度が進化していく可能性が高く、配達員としては「どう使いこなすか」を意識することが大切です。
これからウーバーイーツでフラットレートを利用する方は、メリットとデメリットを理解し、自分の稼働スタイルに合わせて活用してみてください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、最終的な判断は自己責任でお願いいたします。

